カーボンブラック協会

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カーボンブラックの安全性

1.カーボンブラックの取扱い

 カーボンブラックは長い使用履歴を持っており、また、大量に使用される材料で、安全に生産・使用ができ、環境を汚染することがないように法整備も実施されております。 更に、一般的な取扱いを前提として今まで知り得たカーボンブラックの物性・関係法令・安全・使用上の注意等を「カーボンブラック取扱安全指針」にまとめ、需要家の皆様により安全にご使用いただいております。

 

2.ナノ材料としてのカーボンブラックの安全性について

 カーボンブラック協会は、大きさの定義からナノ材料と定義されるカーボンブラックについて、その安全性を以下の通り、考え方をまとめました。

カーボンブラックのナノマテリアルとしての安全性

2013.12.17改正版 カーボンブラック協会

-従来から使用されていたナノ材料-

【要点】

  • カーボンブラックは、以下(1)及び(2)の理由から、近年新しく出現したナノ材料ではなく、又、その安全性に関して過去数十年に亘り世界で蓄積されてきた知見は、現在生産・使用されているカーボンブラックにも当てはまるものである。
    (1)カーボンブラックの製法は、1940年代に確立されて普及してきた「オイルファーネス法」が基本であり、又、同時代には「アセチレン法」も確立され、その後大きく変わっていない。このため、粒子のサイズも数十年以上前からナノサイズで変わっていない。
    (2)カーボンブラックの品質(粒子サイズ等)は、メーカーが違っても殆ど変わらない。
  • カーボンブラックの安全性評価に関する最新事情としては、EU CLPで制度(EU Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures 以下EU CLP規制と略す)の適用においてICBA(International Carbon Black Association)加盟メーカーや日本メーカー4社のカーボンブラックが同一物と見なされて、全ての危険有害性項目について「危険有害性非該当」として届け出られている実例がある。尚、現時点まで本届出に対して規制当局からの反論は無く、従来通りの流通が続いている。
  • ICBAの検討・調査の結果においても、4カ国のカーボンブラック製造工場の労働者における疫学的調査(コホート研究)の結果でも、労働者への暴露と発がん性の因果関係は見つからなかったことが明らかになっている。
  • カーボンブラックの発がん性分類は、動物実験による毒性学調査・ヒトの疫学研究の結果をどのように評価するかで異なる。IARC(International Agency for Research on Cancer)は雌ラットによる複数の発がん性研究結果で陽性が現れたため、発がん性分類を、「区分2B」とした(“ヒトに対して発がん性であるかもしれない”という区分、コーヒー等が該当)。一方、EU,国連GHSのルールでは、ヒトでの疫学調査結果が陰性であれば、動物実験で、特に過剰投与下で陽性が現れても、そのメカニズムがヒトへの作用と関連が明らかでない限り、発がん性分類は要しないとしている。よって、EU,国連GHSでは“区分外(not classfiied)”分類になっている。
  • 日本のカーボンブラック協会としては、以上の検討に基づき次の点を強く主張するものである。
    (1)長い歴史を持つカーボンブラックは、既に安全性についての試験結果を有しており・規制濃度が決められ、且つ法規制がなされている
    (2)カーボンブラックは、数十年以上前から生産・使用されている材料であり、ナノサイズであるからと言って他のナノ材料と同一視すべきでなく、また、ナノサイズであることだけを理由に安全規制が強化されるべきでない。

 

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